
夫婦と子ども2人のような、ファミリー用の間取りとして3LDKは人気です。特に近年は、平屋がブームとなっています。実際、総務省の「住宅・土地統計調査」でも、戸建て住宅に占める平屋の割合は2006~2010年には約7.7%でしたが、2018年に入ると約11.8%に増加しています。
そこで今回は、3LDKの平屋を検討する際、間取りをどうデザインすればいいか、暮らしのイメージと施工実例を紹介しながら解説します。
出典:総務省統計局「平成30年住宅・土地統計調査」


人気は30坪!3LDKの平屋の間取りとは
まずは、間取り3LDKの住まいを平屋で建築する場合の広さや、家族人数の目安を確認するところから始めましょう。
敷地面積の目安 | 50~60坪前後 |
延床面積の目安 | 30坪前後 |
おすすめの家族人数 | 夫婦+子ども2人の4人家族
夫婦+子ども1人の3人家族 |
3LDKの平屋は、一般的に30坪程度を標準としてデザインしていきます。LDKの広さに余裕を持たせつつ、家族の個室も確保できるからです。ただし、25坪であればリビング・ダイニングを少しコンパクトにする、35坪の場合は収納スペースを充実させるといった家づくりもできるので、あくまでも目安と考えてください。生活イメージとしては、3つある個室のうち1つを夫婦用、残り2つを子ども部屋もしくは書斎や在宅ワーク用のスペースとして活用するプランが考えられます。
3LDKの平屋の間取りアイデア5つ
せっかくの住まいづくりなので、快適に暮らせるよう間取りにはこだわりたいものです。そこで、平屋建ての3LDKをどんな間取りで設計すればいいか、重要なポイントを5つ紹介します。
L字型やコの字型で採光と通風を確保
平屋と言えば、シンプルな長方形をイメージする人も多いかもしれません。しかし、L字型やコの字型も人気です。建物自体をL字型やコの字型に設計すると、以下のようなメリットが得られます。
【L字型・コの字型のメリット】
・窓を設置できる面が増えるので、採光・通風を確保しやすい
・建物のない抜けた空間があることで、開放感を演出できる
平屋建ての住宅は、一般的に広くなるほど家の中心部に十分な光や風が届きにくくなるというデメリットがあります。窓から距離があったり、内部の壁で遮られてしまったりするからです。L字型やコの字型であれば窓の数を増やせる分、十分な採光・通風が確保できます。また、空いたスペースに中庭などを設置すれば、家族が気軽に集まれる場所として機能するでしょう。家の中から見える中庭などの空間は、外とのつながりを感じやすく開放的な住まいとなります。間取りは内側に意識が向いてしまいがちですが、家のかたちにもこだわってみてください。
ゲート・柵・生け垣を設置する
ワンフロアで開放的なイメージのある平屋ですが、プライバシーや防犯面が気になるケースもあります。その場合は、ゲートや柵、生け垣などを検討するのがおすすめです。
【ゲート・柵・生け垣を設置するメリット】
・通行人や隣接する住宅からの視線を、程よく遮ることができる
・洗濯物などから家族構成を知られたり、在宅状況を把握されたりするのを防げる
柵などは家の周りにぐるりと配置してしまうと、暮らしに圧迫感が出てしまうこともあります。そのため、外からの視線が気になる部分にピンポイントで設置するなど、プライバシーの保護を意識して工夫するのがおすすめです。例えば庭に柵を設置することで、子供を遊ばせている時に通行人や隣接する住宅といった外からの視線が気にならなくなりますし、外に干している洗濯物から家族構成など在宅状況を把握されたりするのを防げます。平屋らしいのびのびした生活が実現できるでしょう。
生活動線を工夫する
階段のない平屋建てでも、間取りを決める際は生活動線を考慮することが重要です。
【生活動線を工夫するメリット】
・家事や育児などに伴う移動が少なくなり、快適に暮らせる
・無駄なスペースをなくすことで、居室をより広く設計できる
生活動線を工夫した間取りとは、例えば玄関の横に土足で入れる土間収納を設置する、キッチン近くにパントリーを配置する、ランドリールームに室内干しの機能を備えるといった方法があります。家事や育児などに伴う移動が少なくなったり、無駄なスペースなく空間を利用できるようになります。まずは普段の生活について、よくあるシーンを複数イメージし、どんな間取りがいいか考えてみましょう。また、平屋の3LDKの場合、あえて「廊下なし」の間取りも選択肢として有力です。生活動線が短くなるだけでなく、各部屋も有機的につながり広々とした印象になります。
ウッドデッキを取り入れる
平屋にウッドデッキを設けると、より開放的な暮らしを実現できます。特に、L字型やコの字型の間取りの場合、ウッドデッキを設置することはおすすめです。
【ウッドデッキを取り入れるメリット】
・家族のだんらんを楽しむ空間として活用できる
・日当たりを重視すれば、洗濯物を干すスペースとして活躍する
ウッドデッキのサイズに余裕を持っておけば、家族や友人とバーベキューをするなど、家族団らんのお家時間を充実させることが可能です。また、平屋は2階建てと異なりベランダがないため、洗濯物を干す場所に困る場合もあります。その際ウッドデッキがあれば、日当たりがよく、日常的に洗濯物を干すことができます。利用シーンをイメージして、脱衣所やキッチンの近くに配置するとより便利に使うことができます。
今後を見据えた間取りにする
住まい選びは、現在の家族構成から連想される暮らしにフォーカスしがちですが、将来も考えた仕様にすると、数年後も暮らしやすくなります。
【今後を見据えた間取りにするメリット】
・老後に大幅なリフォームをする費用を節約できる
・できるだけ長く自宅で自立した生活を送ることが可能となる
階段のない平屋でも、年齢を重ねるという想定はしておくに越したことはありません。例えば、子育てが終わった後、夫婦2人でゆっくり過ごすリビングを日当たりの良い南側に配置しておいたり、リビングと寝室、寝室とトイレの位置を近くにする間取りで移動の負担を減らしたりする方法が考えられます。こういった工夫により、老後に大幅なリフォームをする費用を節約できますし、できるだけ長く住み続けられるでしょう。数十年後の生活はイメージするのが難しいかもしれませんので、ハウスメーカーやビルダー(工務店)に相談することをおすすめします。
3LDKの平屋の間取り・施工事例
ここまで平屋の3LDKの間取りを考える際のポイントについて解説してきましたが、実際の建物が見てみたいという人もいるでしょう。そこで、日進堂が手掛けた施工事例を間取り図とともに紹介します。
家具のようなキッチンを暮らしの真ん中に
30坪以下の建物でありながら、アイランドキッチンを配置した広いLDKが魅力の住宅です。料理をしたくなるキッチンがあると、家族が自然と集まるリビング・ダイニングになります。また、廊下なしの設計にすることで、主寝室に8帖、子ども部屋に6帖という十分なスペースを確保することができました。個室でプライバシーは守られていますが、玄関ホールから各居室へはLDKを通る間取りになっているため、家族の顔が見られる安心感があります。さらに、何かと置く物の多い洗面室に壁一面の棚を設け、スッキリとした収納を実現するなど、実際の生活スタイルも考慮しています。外観・内観共にホワイトやグレーを使いモダンな雰囲気を演出しているため、ホテルライクな印象となりました。
それぞれの空間が心地よくつながる平屋
こちらも建物で、ゆったりした平屋の3LDKを実現した間取りとなっています。ポイントは、LDKにつながる日当たりの良いウッドデッキです。キッチンや洗面室からの動線もスムーズなので、さまざまな使い方ができます。キッチンはフルフラットのオープンタイプで開放感があり、家族の様子を見ながら食事の準備もできて安心です。また、8帖・5.2帖・5帖の3つの洋室とは別に、3帖の小上がりをLDKに配置しました。小さな和室のような空間として独立しているので、子どもが小さいうちは宿題をする場所として活用したり、在宅ワーク用のスペースにしたりと、必要に応じて用途が選べます。ウッドデッキとのバランスを考慮して、内観も木を感じられるデザインが基調です。
3LDKの平屋の間取りは日進堂にご相談ください
平屋の3LDKの間取りは、今回紹介したようなポイントを意識することで、おしゃれなだけでなく、機能的で暮らしやすい設計となります。とはいえ、より詳細なイメージを専門家と一緒に考えたいという方もいるかもしれません。
日進堂は香川県・岡山県で注文住宅を手掛けるビルダーです。香川県では住宅着工棟数ランキング12年連続No.1を獲得しており、最新の建物機能と設備を持った自由設計の家づくりを得意としています。土地探しもお手伝いできますので、ぜひ一度、施工事例集をお取り寄せください。
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