木造建築の特徴やメリット・デメリットとは?施工事例と共に紹介

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木造住宅は建築コストが安く、デザインやリフォームの自由度が高いことから日本では古くから根強い人気を誇っています。木材そのものが住宅内部の湿度を調整してくれるため、日本の気候に適しているのも特徴の一つです。

この記事では木造建築の特徴やメリット・デメリット、一般的に取り入れられる工法について解説します。木造住宅の施工事例も紹介するので、家づくりの参考にしてみてください。

 

木造建築とは?

 

木造建築とは、建物の柱や骨組みなどの主要構造部に木材を使った建物です。日本では古くから木造建築の建物が多く、令和2年に新しく建てられた低層住宅の8割超が木造で建築されています。

 

出典:国土交通省 令和2年度「建築着工統計」

 

建物の構造は、主に木造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造に分かれています。鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造は気密性や耐震性に優れている反面、湿気がたまりやすいため快適な住環境を保つには換気・除湿の設備が必須です。しかし木造なら通気性が高く、素材そのものに調湿効果があるため雨の多い時期でも快適な住環境を保てます。寺社仏閣の建築などで木造建築の技術力を高めていた文化的背景もあり、日本では木造の建物が主流になりました。

 

 

 

木造建築の工法3つ

 

木造建築では、断熱性の高さやレイアウトの自由度などのニーズに応じて最適な工法が採用されています。ここでは木造建築で採用されている、3つの工法について解説します。

木造軸組(在来工法

木造軸組工法は古くから採用されている工法で、柱と梁で骨組みを作ってから床・壁を取り付ける工法です。耐震性を高めるために、斜め方向に筋交いと呼ばれる木材も組み込まれています。骨組みと筋交いで強度を保つため、大きな窓を設けやすく間取りの自由度も高いのがメリットです。ほとんどの工務店で施工できる工法なので、建築実例や地域での信頼度など多くの基準で比較しながら理想の家づくりを目指せるのも魅力です。

木造枠組壁工法(ツーバイフォー工法)

木造枠組壁工法は北アメリカで開発された工法で、2インチ×4インチの木材パネルを組み合わせた後に床・壁を取り付ける工法です。ツーバイフォー(2×4)工法と呼ばれることもあります。建物の荷重を面で分散して支えるため、耐震性に優れているのが特徴です。高密度で断熱材を充填できるので、気密性と耐火性も確保できます。設計・施工もマニュアル化されており、施工業者による品質の差が出にくいといわれています。

木造ラーメン工法

木造ラーメン工法は鉄骨鉄筋コンクリート構造の技術を木造建築に応用したもので、柱と梁をボルト・鋼板で固定する(剛接合)工法です。木のしなやかさと金属の強さを兼ね揃えているため高さや間取りの自由度が高く、狭小住宅にも適した工法なのが特徴です。将来のリフォームやリノベーションにも柔軟に対応できます。ただし、現時点では大手ハウスメーカーなど施工できる会社が限られているのが現状です。

 

 

 

 

木造建築のメリット

鉄骨やコンクリート建築のような耐震性の高い建物が注目される中、日本の気候に適している木造建築に魅力を感じる人は少なくありません。国土交通省調べによると、令和2年に新しく建てられた低層住宅のうち、8割超が木造で建築されているほどです。ここからは木造建築ならではのメリットを4つご紹介します。

 

 

建築コストが安価

木造建築は、他の工法と比べて建築コストが4割ほど安いのがメリットです。素材が軽いため基礎工事にかかる期間や費用、建設にかかる人件費も少なく済むでしょう。コンクリートや鉄骨のように、建材の下処理の費用もかかりません。下記表の通り、鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造との坪単価を比較しても40万円弱も安いことがわかります。

 

【坪単価の比較】

 

構造 坪単価
木造 56万9500円
鉄筋コンクリート造 95万3000円
鉄骨造 75万1600円

出典:国土交通省「建築着工統計調査」(2021年度)

 

 

デザインの自由度が高い

木造建築は、骨組みと筋交いの構造さえしっかりしていれば建物のデザインを自由に設計しやすい点もメリットです。鉄筋コンクリート造と比べて柱は細いですが、前述したように骨組みと筋交いで強度が保たれています。したがって、思い通りの間取りにできるだけでなく空間も有効活用できるのです。特に鉄筋コンクリート造の場合は壁の一部もコンクリートでできているので、リフォーム時の間取り設計に制約が出ることが考えられます。一方、木造であれば建物の強度を損ねない範囲で壁も移動できるので、ライフスタイルの変更に合わせたリフォームもしやすいです。

 

 

日本の気候に適している

木造建築の住宅は通気性が良く湿気が溜まりにくいため、梅雨のある日本の気候に適しています。建物全体に熱がこもりにくいため、夏の暑い時期でも快適に過ごせます。家具と壁の間隔さえ確保していれば、壁や床などにカビ・結露が起こる心配も少ないでしょう。秋から冬にかけての乾燥する時期は木の水分が空気中に少しずつ放出されるため、過度な乾燥も防げます。さらに壁に充填する断熱材の性能も高いため、冬の暖房効率も高いといわれています。

 

 

耐火性が高い

木の熱伝導率は鉄と比べて低いため、耐火性能が高いのも安全面ではメリットです。木造住宅は火災に弱いと思われがちですが、鉄筋・鉄骨造の場合、高温にさらされ続けると強度を失い、早い段階で建物の崩壊に至る恐れがあります。しかし、住宅建築に用いられる太い木材の場合は、15分ほど燃焼させても表面が炭化する程度で、芯まで燃えることは少ないです。最近では、ゆっくり燃えるという木の特性が、救助活動や延焼防止の時間を確保する効果ももたらすとも言われています(※1)。なお、ツーバイフォー工法の場合は建材そのものに2時間耐火構造の国土交通大臣認定が得られています(※2)。

 

※1 日本建築士会連合会 会誌「建築士」2017年3月号

 

※2 一般社団法人日本ツーバイフォー建築協会「耐火技術」

 

 

 

木造建築のデメリット

木造建築には日本の気候に適しているなどのメリットがある反面、耐用年数が短く害虫に弱いというデメリットがあるのが実情です。ここでは木造建築のデメリットについても説明します。

 

 

耐用年数が短い

木造住宅は他の構造と比べて耐用年数が短いのがデメリットになり得ます。たとえ同じ住宅会社、同じ仕様で建設しても、天然素材という特性上個体差があるため、品質・強度に多少の差が出る可能性がある点には留意しておく必要があります。ただし、定期的に外壁・屋根の塗装や床下のシロアリ対策などのメンテナンスを行うことで耐用年数を延ばすことは可能です。

 

建物の耐用年数の目安として、国税庁が公表している減価償却資産の耐用年数表の一部を紹介します。

 

【住宅の構造ごとの耐用年数】

 

構造 耐用年数
木造 22年
鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造 47年
レンガ・ブロック造 38年

 

出典:国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」

 

害虫に弱い

シロアリなどの害虫に弱い点も、木造建築特有のデメリットです。シロアリは木を主食としているため、知らない間に被害が進行して建物の耐久性を弱めてしまいます。キクイムシやシバンムシも木を食べるため注意が必要です。対処方法としては、床下の定期点検や薬剤散布を定期的に行うことによって害虫被害を最小限に抑えられ、建物の耐用年数を延ばすために重要です。

 

 

 

木造建築の施工事例

木造建築の施工事例を2つご紹介します。

 

くつろぎの中に華やかさと温もりを感じる家

吹き抜けを取り入れた広いリビングが、開放感を演出しています。キッチン・ダイニングの天井にウッドパネルを採用し、木材ならではのぬくもりを感じられる空間です。

くつろぎの中に華やかさと温もりを感じる家の施工事例はこちら

 

中庭を中心に家族がつながる平屋

中庭や和室・趣味の部屋など、家族が思い思いに過ごせる空間に仕上がりました。床には栗の無垢材を採用している他、室内の各所に木材を取り入れています。

中庭を中心に家族がつながる平屋の施工事例はこちら

 

 

 

 

木造建築に関するよくある質問

木造建築の寿命はどのくらいですか?

木造建築の寿命は、一般的には30年から60年とされています。しかし、適切なメンテナンスと修繕を行うことで、100年以上持つことも可能です。日本には数百年以上経過しても現存する木造建築物も多く存在します。ただし、これらは特別な技術や材料を用いて建てられ、また定期的な修繕が行われています。

 

木造と鉄骨のどちらの方がいいですか?

どちらが良いかは、建築予定地の地盤状況、ご予算、ご希望の間取りやデザインなど、様々な要素を考慮して決めることが重要です。

木造と鉄骨造、それぞれには特性と利点があります。

●木造

自然素材である木を使用するため、温かみのある空間を作り出すことができます。また、木は湿度を調整する性質があり、室内の湿度を適切に保つことができます。さらに、木造は比較的建築費用が抑えられるというメリットもあります。

●鉄骨造

強度が高く、地震に対する耐震性が高いという特徴があります。また、鉄骨を使用することで、大きな開放感のある空間や自由な間取りを実現することが可能です。ただし、木造に比べて建築費用は高くなる傾向にあります。

 

木造住宅が人気の理由は何ですか?

木造住宅が人気な理由はいくつかあります。まず、木材は自然素材であるため、心地よさや安心感をもたらします。木材は湿度を調節する性質があり、室内の湿度を適切に保つことで健康にも良いとされています。また、木材は熱伝導率が低いため断熱性に優れており、冬は暖かく、夏は涼しく過ごすことができます。さらに、木造住宅は自由な設計が可能で、自分だけのオリジナルな空間を作ることができます。これらの理由から、木造住宅は多くの人々に人気があります。

 

木造建築の特徴は何ですか?

木造建築の特徴は以下のような点が挙げられます。

1. 環境負荷が低い:木材は自然から得られる素材であり、環境に与える負の影響が低いという特徴があります。また、木材は炭素を吸収・固定するため、CO2排出量を抑制する効果もあります。

2. 快適な室内環境:木材は湿度を調節する性質を持っており、室内の湿度を適切な状態に保つことができます。また、木材から発散するフィトンチッドという物質にはリラクゼーション効果があり、心地よい室内環境を作り出します。

3. 美しい見た目:木材はその自然な風合いから、美しい外観や内装を作り出すことができます。また、年月と共に風合いが増すため、長く住むほどに味わい深い空間になります。

4. 自由度の高い設計:木材は加工が容易で、自由な形状の設計が可能です。また、軽量であるため、地震に対する耐性もあります。

5. 短期間で建築可能:木造建築はプレハブ建築と比べても建築期間が短く、コストも抑えられるという特徴があります。

 

木造建築の欠点は何ですか?

木造建築の欠点は以下のような点が挙げられます。

1. 耐久性:木造建築はコンクリートや鉄骨建築に比べて耐久性が低く、経年劣化が早いとされています。定期的なメンテナンスが必要となります。

2. 火災リスク:木材は燃えやすい素材であるため、火災に対するリスクが高いです。火災保険の加入や防火対策が必要となります。

3. 防音性:木造建築は鉄骨やコンクリート建築に比べて防音性が低い傾向にあります。 以上の点を考慮して、建築計画を進めることが重要です。

 

木造の注文住宅をつくるなら日進堂にご相談ください

木造建築の住宅は鉄骨・コンクリート建築と比べて耐用年数は短いものの、断熱性や調湿効果に優れているため快適な住環境を実現できるのが特徴です。工法によっては耐火性・耐震性を高めることも可能です。

 

日進堂の家づくりでは間取りや設備だけでなく、予算に応じて地震や災害から家族を守る構造躯体も自由に選べます。施工後20年の初期保証と無料定期点検付き、専任スタッフによるサポートも徹底しています。住宅の新築を検討している方は、ぜひ日進堂にご相談ください。

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