狭小住宅などで敷地内に駐車場スペースを確保できないと悩む人もいるでしょう。そんなときは、ビルトインガレージがおすすめです。
建物を3階建てにして屋内にガレージをつくれば、駐車スペースだけでなく、十分な居住スペースも確保しやすいです。ただし、ビルトインガレージの設置には、注意すべき部分もあります。
この記事では、3階建てでビルトインガレージをつくるメリットやデメリット、間取り設計のポイントなどを解説します。施工事例も紹介するので、どのような住まいができるかイメージを膨らませてみましょう。
Contents
ビルトインガレージとは?
ビルトインガレージ(インナーガレージ)とは、車やバイクなどを駐車するために設置された屋内スペースのことです。広い土地を確保しにくい日本において、敷地内に駐車スペースを持てるビルトインガレージは注目を浴びています。
屋外の駐車場とは異なり、ビルトインガレージは周囲を壁に囲まれています。ガレージの出入り口にシャッターや引き戸などを取り付けると、愛車をより大切に守れるでしょう。
ビルトインガレージに必要な広さ
2階・3階部分で生活できる3階建てなら、狭小住宅でもビルトインガレージを設置できます。ビルトインガレージに必要な広さは、車を停める台数によって変わります。車1台分なら4~5坪程度、車2台分なら8~10坪程度を目安に駐車スペースを確保しましょう。
また一般的に、「狭小地」といえば敷地面積15坪程度の広さを指します。3階建ての狭小住宅にビルトインガレージを設置すると、車1台分なら5坪が必要で、残り10坪は居住スペースに使えます。
車2台分を停めるなら、ビルトインガレージに必要なスペースは10坪です。1階部分の残り5坪は玄関やシューズクローク、階段スペースなどに割り当てましょう。
ビルトインガレージの建築費用の目安
前提として、ビルトインガレージを設置する際の費用は、以下のようなさまざまな要素に左右されます。
・建物の構造(主に木造・RC造・鉄骨造)
・建物の階数
・ガレージの広さ
・ガレージの性能(遮音性や断熱性など)
・ガレージに設置するシャッターのグレード
ガレージをどんな仕様にするかによって費用は変わりますが、一般的には坪当たり50~80万円程度がガレージの建築費用の相場です。車1台分の駐車スペースなら4~5坪で200~400万円ほど、2台分なら8~10坪で400~800万円ほどを見ておきましょう。
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ビルトインガレージのある3階建てを建てるメリット
車との距離が近くなると、愛車を大切に保管でき、車で外出する際の利便性もアップします。3階建てでビルトインガレージを設置するメリットを解説します。
狭小地でも駐車スペースを確保できる
狭小地かつ3階建てという組み合わせなら、土地の購入費用を節約しつつ駐車スペースを確保できます。
都市部では土地の価格が高いうえに、広い土地を見つけること自体困難です。土地の購入費用を節約できた分は、建築費用に回すと良いでしょう。
愛車の盗難やいたずらなどの防犯面で安心
3階建てにしてビルトインガレージを設置すると、室内で愛車を保管できるので防犯面で安心感を持てます。
敷地内に駐車場スペースを確保できなければ、近隣に月極駐車場を借りなくてはいけません。しかし、多くの月極駐車場は屋外に設置されています。頻繁に人の出入りがある環境に愛車を停めることで、防犯面を不安に感じる人もいるでしょう。
また、月極駐車場を借りる必要がなければ、駐車場代も節約できます。
天候が悪い日でも車への乗り入れや荷物の出し入れが楽
ビルトインガレージと室内を結ぶ出入り口を設置すると、車への乗り降りや荷物の出し入れが楽になります。
小さな子どもがいる家庭の場合、傘で手が塞がらなければ、スムーズにチャイルドシートに乗せられるでしょう。ご高齢の方は、雨や雪、風の心配がなければゆっくり乗り降りできます。買い物帰りの際も、重い荷物を持って玄関に回り込まなくて済むと便利です。
駐車スペース以外にも活用できる
ビルトインガレージは、以下のように多目的に活用できます。
・収納に使う
・趣味を楽しむ
・テレワークをする
・ホームパーティーを開く
・子どもの遊び場にする
ビルトインガレージには屋根がついているため、庭や屋外の駐車スペースとは異なり天候に左右されず使えます。例えば、日差しが強い夏でもガレージ内には直射日光が当たりません。日陰に家庭用のプールを出せば、涼しく水遊びできます。
容積率の計算から除外される
ビルトインガレージの広さを一定に抑えると、容積率で規定された延床面積を上回る家を建てられます。例えば、15坪で容積率200%の土地だと、建てられる家の延床面積の上限は、15坪✕200%=30坪です。
ただし、ビルトインガレージには「延床面積の5分の1までを上限に、容積率の計算から除外できる」という緩和措置があります。緩和措置を利用すると、30坪の居住面積を確保したうえで、さらに6坪までのビルトインガレージを設置可能です。
都市部の土地は容積率の制限が厳しいケースが多いため、緩和措置を活用して延床面積を確保すると良いでしょう。なお、よく誤解されがちですが「容積率の緩和措置が受けられる=固定資産税が安くなる」ことではないため、注意しましょう。
ビルトインガレージのある3階建てを建てるデメリット
ビルトインガレージを設けると、居住スペースの不足以外に、動線の不便さや耐震性への不安、音・振動に対する不満を感じる場合もあります。ビルトインガレージのある3階建てを建てるデメリットを解説するので、懸念点をチェックしておきましょう。
駐車スペース分だけ居住空間が狭くなる
ビルトインガレージを設置すると、居住空間になったはずのスペース分が削られます。3階建てといっても床面積には限りがあるため、家族の人数が多いほど部屋数を確保しにくくなるでしょう。
家族間のプライバシーが確保されるように、必要な部屋を確保できるか見積もってから、本格的にビルトインガレージの設置を検討しましょう。
階段移動の多い生活動線になる
ビルトインガレージで1階の大部分を使うと、階段移動が多い生活動線になる可能性があります。狭小住宅の多くは、リビングや水回り、個室、寝室などを2階以上にまとめることになるでしょう。そうなると、家に出入りする際は必ず階段を使う必要が生じます。
足腰を痛めているとき、重い荷物があるとき、高齢になって体が思うように動かなくなったときなどに、階段移動が多い間取りでは体に負担がかかります。
耐震性を高めるため建築コストが高くなる
3階建ての建物には「構造計算」が義務化されています。構造計算の手続きには、目安として数十万円程度の費用がかかります。ビルトインガレージの設置代も加わるため、3階建てにビルトインガレージを設置する場合は、トータルで見て建築コストが割高です。
コスト面はネックに感じるかもしれませんが、構造計算を受けると耐震性が問題ないと分かります。安心してマイホームを建築できるでしょう。
音や振動が室内に響きやすい
木造や鉄骨造の建物は防音性が低いため、ビルトインガレージ内のエンジン音やシャッター音、車のドアを開閉する音、エンジンの振動音などが室内に伝わりやすくなります。
近隣住宅との距離が近い3階建て狭小住宅の場合は、音や振動が周囲の家にまで響く恐れがあります。ビルトインガレージの防音性を高める工夫をして、特に深夜や早朝は家族や周囲の家に配慮して行動しましょう。
ビルトインガレージのある3階建ての間取り設計ポイント
ビルトインガレージに起因する不具合は、間取りによって解消できる場合があります。ビルトインガレージのある3階建てについて、間取りの設計ポイントを解説します。
ビルトインガレージの真上や近くに寝室を配置しない
ガレージの真上や近くには、静かに過ごしたい部屋を配置しないようにしましょう。音が出にくい電動のシャッターを導入する、防音性のある資材を使うなど、ガレージの防音性向上はもちろん大切です。そのうえで、間取りにも注意が求められます。
3階建てなら、静かに過ごしたい部屋を3階に集約できると、音や振動に悩まされにくくなります。
室内から直接ビルトインガレージに行ける出入り口を設ける
室内から直接ビルトインガレージに移動できる動線をつくると、車からの荷物の出し入れがスムーズです。
ただし3階建ての場合は、2階以上にリビングを設けるケースが多いでしょう。荷物を持って上に上がると想定すると、階段近くの通路とガレージを連結させるとスムーズに生活できます。
車の買い替えを考慮した広さにする
ビルトインガレージの広さを検討するときは、現在所有している車ではなく、将来的に購入したい車のサイズをイメージしましょう。1階部分に設けるビルドインガレージの広さは後からリフォームして変えることは難しいため、注意が必要です。
また近い将来、電気自動車に乗り換える家庭が増えると考えられます。再び工事しなくて済むように、電気自動車専用コンセントの取り付けもおすすめします。
排気ガスが充満しないように換気対策を行う
シャッターや引き戸で密閉されたガレージ内でエンジンをかけると、排気ガスが内部に充満し、居住スペースにガスが流れ込む恐れもあります。安全に暮らすために換気対策を徹底しましょう。
換気扇の場所によっては、2階・3階の窓を介して、居住スペースに排気ガスが流れ込む懸念があります。ビルトインガレージの施工実績が多いハウスメーカーや工務店に依頼して、換気対策を施しましょう。
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ビルトインガレージのある3階建て施工事例
こちらの3階建て住宅は、黒い外壁がスタイリッシュです。窓がたくさん設けられているうえに、道路に面した部分にもスリットが開けられています。プライバシーを確保しつつ、採光性を確保できるでしょう。
玄関にはビルトインガレージにつながる扉が設けられ、2階へ続く階段がすぐ近くにあります。ガレージ内にはライトが設置されており、シャッターを閉め切っても活動しやすいと考えられます。
ビルトインガレージのある3階建てを建てるなら日進堂にお任せください
ビルトインガレージを設置すると、狭小住宅のような狭い土地でも駐車スペースを確保できます。高さのある3階建てなら1階にガレージを設置しても、居住スペースを確保しやすいと考えられます。多くのメリットがあるビルトインガレージを、マイホームに取り入れてみましょう。
地域密着型で長年の実績と信頼を誇る日進堂は、香川県住宅着工棟数ランキング13年連続No.1を達成しました。日進堂は高松市を中心に、常時約50か所もの自社分譲地を展開しています。自由設計の家づくりで、ビルトインガレージのある家づくりをサポートします。
香川・岡山エリアでビルトインガレージのある3階建てをつくるなら、ぜひ、日進堂にご相談ください。無料カタログもご覧いただけます。
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